しみじみ*明日

北海道の小さな街から日々のしみじみを綴ります

読書日記『100分de名著 シュピリ アルプスの少女ハイジ 』

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移動中、読書タイムです。

 

著者は、松永美穂さん

早稲田大学教授 ドイツ文学者

 

私は、どうしてかわからないけど

児童文学が苦手です。

読んでみたくて買うんだけど

読み進められない。

論説や、エッセイなどは好きなのに…

 

それで、ハイジも、岩波の本を買ってあるのに

まだ途中なんです。

なのに、こちらは、

ページをめくる手が止まらず、

読んでとても感動しました。

アニメと原作はかなり違うと

よく聞きますが

どこがどう違うのか。

おじいさんや、ペーターの人物像も違うらしいし、ラストも違うらしい。

 

私が、こちらの解説で心に残ったのが

ハイジの夢遊病を診断し

助けてくださったクラッセン先生と

ハイジのやりとりです。

実はクラッセン先生は

奥様と、娘さんを相次いで亡くされた。

その悲しみに打ちのめされている彼に

ハイジが語るシーン。

「神様にゆだねましょう。神様は賢い君主。あなたを驚かせるようなこともなさるでしょう。…略…しかし、あなたが神様に信頼することをやめないでいるなら、思ってもみなかったときにあなたを持ち上げ、あなたを心の重荷から救って下さいます。その重荷は、あなたが落ち度のないままに背負ってきたものなのです」

 

これは、ペーターのおばあさんに読んだ賛美歌の歌詞なのだそうです。

この言葉をじっと聞いて、クラッセン先生は癒されていきます。

 

この物語に出てくる人たちは

皆、親しい人たちを亡くしています。

ハイジも両親を早くに亡くしています。

でも、その人たちが出会って

支え合い、与え合う素晴らしい関係を

作っていきます。

 

ということを、松永先生の解説を通して

教えていただきました。

 

帰ったら、やっばり、トライしてみよう。

 

一人旅は、読書がすすみます。

ありがたい時間。

 

erino*