昨夜、読了。
頁をめくる手がとまりませんでした。
山野井泰史さん&妙子さんという、クライマーご夫婦のノンフィクション。
ほぼ8000メートル近い、ヒマラヤのギャチュンカンという山に夫婦でアタック。
しかし、雪崩に巻き込まれ、絶望的な状況の中の壮絶な下降。
ひとつひとつの局面での判断、信頼、そして、ひとりになったときにも
相手を信じて、自分にできる最善を選んでいく・・・。そして、ふたりで、奇跡の帰還。
妙子さんは、結局18本の指を凍傷で失う。
私は、医師が話したくだりが心に残った。
「切った指を忘れられないと、残っている指が発達しない。
うまく忘れられたとき残った指と脳との回路がうまくつながって成長するようになる。」
失ったもの、どのようにしても戻って事がないもの。
それらを受け入れながら、
妙子さんは、この5年後に再びグリーンランドの難しい岸壁の登頂に成功している。
極限状況下の自分の生活ではないけれど、
ひとつひとつの選択が、どんなに大切なことか、改めて考えさせられた。
そして、それらの結果を引きうけながら、今を生きていくこと。
読んで良かった本です。
erino*