「四つの小さなパン切れ」
マグダ・オランデール=ラフォン 著
高橋啓 訳
16歳のとき、アウシュビッツ=ビルケナウに強制収容され、
母と妹は到着するなりガス室で殺され、
別れのまなざしを交わす事さえ出来なかった。
「夜と霧」とはまた違って
詩のような短編の文章で
綴られている。
その言葉は重く、正視する事もできないような
想像を絶するような苦しみ。
奇跡的に生きながらえた彼女は、
長い沈黙を破って
言葉を紡ぎ始めた。
「この地上での人生は私に試練をもたらした。
同時にたくさんのものを与えてくれた。
・・・・・・
わたしは愛しながら死にたい。」
そう書かれていた。
マグダは、収容所から開放された後、
カトリックの洗礼を受けている。
この本に出逢えて良かった。
彼女は、また、家族の大切さをも述べている。
「世界の調和は、家族の調和にかかっていると
わたしは確信している。」と。
マグダさんとは比ぶべくもないけれど
私も、私の人生の中で
過去も含めて
いま、感謝して、歩みたいと思う。
erino*