しみじみ*明日

北海道の小さな街から日々のしみじみを綴ります

「四つの小さなパン切れ」読了

「四つの小さなパン切れ」

マグダ・オランデール=ラフォン 著

高橋啓 訳

みすず書房

16歳のとき、アウシュビッツ=ビルケナウに強制収容され、

母と妹は到着するなりガス室で殺され、

別れのまなざしを交わす事さえ出来なかった。

ハンガリーユダヤ人の中でも、数少ない生き残りとなった方。

「夜と霧」とはまた違って

詩のような短編の文章で

綴られている。

その言葉は重く、正視する事もできないような

想像を絶するような苦しみ。

奇跡的に生きながらえた彼女は、

長い沈黙を破って

言葉を紡ぎ始めた。

「この地上での人生は私に試練をもたらした。

同時にたくさんのものを与えてくれた。

・・・・・・

わたしは愛しながら死にたい。」

そう書かれていた。

マグダは、収容所から開放された後、

カトリックの洗礼を受けている。

4つの小さなパン切れ

この本に出逢えて良かった。

彼女は、また、家族の大切さをも述べている。

「世界の調和は、家族の調和にかかっていると

わたしは確信している。」と。

マグダさんとは比ぶべくもないけれど

私も、私の人生の中で

過去も含めて

いま、感謝して、歩みたいと思う。

erino*