しみじみ*明日

北海道の小さな街から日々のしみじみを綴ります

映画「PERFECT DAYS」観てきました

先日のお休みの日

観てきました❗️

 

「PERFECT DAYS」

 

役所広司さん。

 

評判通り、大人の、静かな映画でした。

東京で、公衆トイレの掃除を仕事として

1人でボロボロのアパートに住んでいる平山さん。

朝は自販機の缶コーヒー。

昼はコンビニのサンドイッチ🥪

夜は行きつけの居酒屋さん。

 

判で押したようなルーティーンワークの毎日。

途中までは台詞もないので

もしかして全く喋らないのかと思った。

 

f:id:erino67:20240213220937j:image

 

平山さんの詳しい過去は最後まで分からず

結婚したことがあるんじゃないかと思うけど

そこも分からないし

あれほど仕事のできる人が

なぜ、この仕事をしているのか。

知的でもあり(読書家)

人々からも信頼される人。

 

彼は、毎日の日差しとか

小さな木の芽が育っている姿とか

銭湯で身体をお湯に沈める時間とか

本当に小さなこと(実は小さいことじゃないんだけど)を

喜んで、楽しんで、暮らしているようだった。

 

私は、谷川俊太郎さんの絵本

「あな」を思い出した。

 

1人の少年が

黙々と穴を掘っている。

周りの人たちは

「何をするの❓」

「何のために掘ってるの❓」

みたいなことを訊くんだけど

彼は黙々と掘り続けて。

最後には

「これはぼくの穴だ」と満足に呟く。

 

周りの人の言葉や評価や価値観の嵐の中で

自分が楽しいと感じ、幸せと思える

そんな瞬間が彼は愛おしくて

この暮らしを自ら選んだんだろうなと思った。

 

平山さんの、朝、ドアを開けた時の表情が

何とも言えず爽やかで嬉しそうで。

 

この街のどこかにも

平山さんがいてくれるんだな。

 

 

 

erino*